ちょっと☆ひと呼吸

5月31日(土)

 

京丹後に越してきて1ヶ月が過ぎた昨日、

仕掛人の仕事でお世話になっている方から

 

「引っ越してまだ1ヶ月だから

 いろいろ生活なんかも慌ただしかったりするかもしれへんけど

 そろそろ実際に畑を借りて野菜を作ってみたり、加工してみたり、

 具体的なことをすすめていかんとね。

 青木さんの畑の作業ばかりをしていてはね。」

 

との言葉をいただきました。

 

 お、おっしゃる通り。

 

そ、そうですよね。

と返事をしたものの、、、。

 

正直、一気に気持ちが重くなり

家に帰ったあと、悶々としてしまいました。。

 

むむむ、

なんだ?この気持ち。

 

ちょっと落ち着いて考えてみなくては・・・。

 

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この1ヶ月、

私の、新しい人間関係をつくる上での特質上(笑)

とにかくこのむらに早く馴染みたい、受け入れてもらいたい、

という思いのなか、

人と良好な関係を築いていくことにほぼ全精力を費やしてきました。

 

なので、

「自分の進みたい方向を見定める、具体的な行動を起こす」

という部分に意識は向かっていませんでした。

 

さらに、

 これまで町の中でしか暮らしたことがなかった私にとって

(朝から晩まで自然塾で過ごした土佐での生活は別として)

こうした小さな「むら」の中での生活は初めて。

 

やっぱり、人間関係が「まち」とは違う。

濃いというか、近いというか。

その距離感がつかみきれず、

でも、いい距離感でおつきあいをしたくて

常に緊張感(ライブ感?)のある毎日でした。

 

たくさんの人に温かく迎えてもらって

もちろん嬉しく、ありがたいことの方が多い一方、

いい感じで疲労感も溜まってきていたんだと思います。

 

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今回の言葉で

具体的な方向が定まっていないことに改めて気づき

不安や焦りが、疲労感とともに一気に押し寄せて来たのでした。

 

 

少し落ち着いて、

改めて自分がこれからすすんで行きたい方向について考えみる。

 

農業をベースにした暮らしをしたい。

・・・でも、どの程度の割合で農業を?

   何をどんなふうに、どのくらい作りたいのか?

・・・3年後にこの仕事が終わったあと

   生計を立てて暮らしていけるようにするためには?

仕掛人の仕事としての加工品の開発などについてはどうしていく?

 

たくさんの問いが。

すぐには答えが出せないことばかり。

これから、そのひとつひとつに向き合って

自分なりの答えを出し、進んで行かなくては。

 

 

そんな思いの中、改めて感じたのは

「自然耕房あおき」を立ち上げて何年もがんばっている青木さんや

もちろん土佐塾の師匠である一穂さんのすごさ。

 

「どうして農業をしたいのか」

「どうして有機農業なのか」

「何のために、どんな野菜を、どうやって作りたいのか」

「そのために、どうしていくのか」

 

それらを

一から考えて

試行錯誤しながら実行に移してきた歴史が、

彼らにはあるのだ。

 

「農業を始める」という方向転換は

ある意味、誰でもその気になれば可能だと思う。

でも、彼らのように十数年間も

始めた当初の思いを持ち続けながら

思いを貫いて実践していくことは

なかなかできることではないのではないか。

強い意思を持って、格闘してきた毎日があったに違いない。

 

彼らだけでなく

どんな仕事でも、その道を懸命に生きてきた人たちのすごさ。

肌がぞわっとする感覚として改めて感じました。

 

 

私にはまだ、

そんな核になる部分はない。

 

どう生きたいか、なぜそう思うのか、

と自分に向き合う作業が不十分だし、

覚悟もできていない。

ようは、スタートラインにも立っていないのかもしれない。

 

 

そんな焦りや不安を、

少し、青木さんに聞いていただいた。

 

何でも話せる友だちに対してではなく

ある意味、厳しいまなざしで見守ってくれている大先輩に対し

自分の思いを率直に言語化できたことは、

私にしてはちょっと進歩、じゃなかろうかと思う(笑)。

 

青木さんは、

「こうしたらいいんじゃないか」とか

「もっとこういうことが必要」とか

そんなことはいっさい言わなかった。

 

具体的な励ましやアドバイスもなかったけれど

逆に、そういう言葉がなかったことが

「自分でもがきながら答えを出して行くしかないんだよ

 ぼくはそれをちゃんと見ているからね」

と言っていただいているようで

ありがたかった。

 

自分の遥か先を、格闘しながら進んでいる人たちがいる。

 

考え方や、生き方は違ったとしても

懸命に自分の人生を生きている。

そんな人たちのすぐそばで生きることができる、ということは

何よりも励みだ。

 

 

自分なりに前に進むしかないという開き直りとともに(笑)

勇気や元気が新たに生まれて来た。

 

   

ここで何をしたいのか、どう生きたいのか、

見定めていくにはもう少し時間が必要。

私には。

 

だけど、

ただ今を楽しく、みんなで仲良く暮らしていくだけでは

いつまでたっても、自分が向かいたい道は見えないのだろう。

 

毎日、土を触ったり太陽を浴びたり風に吹かれたりしながら

 畑の中で命を育てていくことが、やっぱり私の暮らしの基本。

偏りがちな自分の感覚を、

自然の中で、自然のちからで、ニュートラルに。

 

向かうべき道は、頭で考えるのとは違う、

畑の中で、感覚的に見えてくる、

気がする(笑)。

 

人の思いや状況に流されがちな私。

ときどき立ちどまって

自分や回りを冷静に客観視することも、

きっと大事なんだろうな。

 

 

冒頭のことばは

こうして私がいろんなことに

改めて気づくためのもの、だったのかな、と思った。

 

どんな出来事も、

学ぶことがあって、私にやってくる、、のかな?

なーんて。