バトン☆

 

米づくりの準備をしています。

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とは言っても、

まだ計画の段階です。

 

田んぼを貸してくださる米づくりのお師匠さんが

親身になって相談にのってくださいます。

 

減農薬で米づくりをされている方なのですが

私の「無農薬・無化学肥料でつくりたい」という思いを

とても大事にしてくださいます。

ものすごくありがたいことだと思います。

 

今日、ふとした話から、

彼が脱サラをして父親から米農家の家業を受け継いだ

十数年前の話を聞かせてもらいました。

 

味よりも見た目第一で格付けされ、価格が決められる時代。

米1000粒のなかに、2粒虫食いの米が混じると2等級になり

価格が1000円安くなります。

5粒混じるとさらに1000円下がるのだそうです。

もちろん農薬は大奨励。

 

そのやり方に疑問を感じ

周囲からやんや言われながらも試行錯誤、

安心しておいしく食べられる米づくり続けて来たのでした。

 

話を聞いていて、

もう、なんだか本当に頭が下がる思いでした。

 

彼らのように、

時代の流れや当然と思われているやり方に疑問を持ち、

周囲がなんと言おうとも自分の信じることに向かって

果敢にチャレンジしてきた人たちがいるからこそ、

今、こうして私が無農薬米をつくる、というチャレンジができるのだと思います。

 

そしてきっと、

彼らの世代のもっと前の世代にも

時代の常識に疑問を持ち、よりよい道をと開拓してきた人たちの歴史が

脈々と続いているのではないだろうか、と思いました。

 

最近よく、

「農協はよくない」とか、「農薬はよくない」とか聞きますし

私も言ったりしていました。

 

でも、おそらくそれらが生み出された背景には

「もっと良くしたい」という、人の切実な思いがあったに違いなく、

それを現代から見て良し悪しと判断することは、

なにか違うぞ、と感じるのです。

その営みは、それぞれにとても尊いものなのではないのか、と。

 

そのどれをも抜きにして、

今自分がやろうとしていることは成り立たないんじゃないだろうか。

それらが誕生するに至った経緯や

そこに関わってきた人たちに対して

敬意を持つ自分でいたいと思いました。

 

 

そして、その上で、私は今の時代を生きています。

 

それは、これからお世話になる田んぼのお師匠さんが

彼らの時代のなかで自分なりに感じ、考えて生きてきたバトンを

受けとることなのかな、という気がしています。

 

このバトンを受けとって

私がどこに向かって、どう進んでいくかに正解はありません。

でも、この米づくり 3000年の歴史あるバトンを

心のどこかに留めて

もしできるなら、次の世代に渡していきたいと思います。

 

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