祝☆今年の米づくり完了
昨日、無事に今年のお米の脱穀と籾摺りを終え
お米の収穫が完了ました〜!
「脱穀」というのは
稲はもちろん麦や大豆、小豆などの穀物の実を茎からはずすこと。
稲の場合、稲穂の茎からはずした実のことを「籾(もみ)」と言います。
そして「籾摺り(もみすり)」とは
その籾から籾殻を取り除いて玄米の状態にする作業のことです。
「籾」はつまりそのまま「実」なので
これを土に蒔くと芽が出てくる「種」でもあります。
お米の種は、なので「種籾(たねもみ)」とも言います。
↓ こちらが籾摺り前の籾殻がついた種、「籾」。
所々ヒゲのようなものが付いてますが、これは「ノゲ」と呼ばれるもので
種が植物や動物の毛に絡まって拡散しやすいように、ギザギザがついています。
さて。今年の稲刈りから振り返りたいと思います。
去年は田植え日から4ヶ月後の9月末に稲刈り日を設定したのですが
少し遅すぎて乾燥が進みすぎたなぁ、今年はちょっと考えたいなぁと思っていました。
通常、脱穀する時点でのお米(籾)の水分含有量は約15%程度が
その後の貯蔵や食味上、最もよい状態だとされています。
稲刈りする時点での水分は約20〜30%。
稲木干ししない通常のお米農家さんは、その籾を乾燥機にかけて乾燥させ
15%程度の水分量にまで乾かすという作業をされています。
少し余談ですが、
ひと昔前の乾燥機は単純に高温で加温することによる乾燥方法だったので
籾の外側が乾燥しても中が十分乾燥しておらず、
貯蔵中に品質が劣化することもあったそうです。
が、最近の乾燥機は遠赤外線を取り入れており、
低温でじっくり、より自然乾燥に近い状態で籾の中心部もしっかり乾燥させて
食味が落ちない方法が取り入れられているようです。
高価な農機具も日々進歩しているんですね。
さてさて、
去年は9月以降カラッとした晴天、かつ暖かな日が多かったため
刈り取る時点ですでにかなり稲穂が乾燥しており水分量は18〜16%。
稲木に干したあともずっと晴天続きで
約10日間ほど干した籾は14〜12%にまで水分量が下がってしまいました。
なので今年はもう少し早めに刈り、
少なくとも2週間は稲木に干してゆっくり乾燥・追熟させたいなぁと考えていました。
(追熟とは、収穫したものを一定期間置いて熟成させることを言いますが、
稲の場合逆さにして干すことによって根元の栄養分が穂先に回り、
よりおいしいお米になると言われています。)
稲刈りのベストタイミングを計る上でもう一つのポイントは
稲穂の茎の色があります。
籾がついている茎の部分は、穂先から太い茎に向かって
緑色から茶色へと徐々に変わっていくのですが
これが穂先3分の2程度茶色になった頃合いが稲刈りのベストタイミングと
されています。
↓ わかりやすい写真がなかったのでネットからいただきました。
こちらは茎がまだすべて緑色の状態。稲刈りにはまだ早いかな。
↓ 変わってこちらは、すべて茶色になったもの。
ここまで茶色いと稲刈りのタイミングとしてはちょっと遅いと思われます。
(去年はまさにこれに近い状態での稲刈りでした。)
今年の稲刈りは田植え後3ヶ月と3週間、
種まきからは約5ヶ月たった日程を予定し
あとは稲穂の具合とお天気を見ながら行うことにしました。
が、
天気というものは毎年毎年本当に違うんですね。
そしていつも「今年は異常気象だ〜!」とニュースされているような気がしますが
何十年も、もしかしたら100年以上も前から
人々はそうやって騒ぎながら思うようにならない天候とつきあって来たのでは?
と思います。
今年は9月になってから台風が次々とやってきました。
さらには、台風が過ぎても台風一過の晴天にはならずに
秋雨前線がずぅ〜っと停滞して素晴らしく長いしとしと雨が続きました。
稲刈りができないばかりでなく
家の中のあらゆるものがカビていくという事態にもなりました。。
9月17〜18日の稲刈り予定日を前に
借りてきた三脚で稲木を作りました。
しかし天気予報はほぼ100%の雨予報。
「稲刈りしてみたい!」とわざわざ大阪から助っ人に来てくれた両親ですが
ほどなく雨が降ってきてほんの束の間の稲刈り体験でした。
↓ 家の小さな庭で家庭菜園を楽しんでいる母は、とてもいきいき。
「もっと刈りたい〜」と雨を残念がっていました。
↓ 一方稲刈りにあまり興味のない父(母に連れてこられた)は、ものの5分で
「もうええんちゃう〜」とまさかの発言。思わず笑ってしまいました。
写真を見てお気づきかもわかりませんが
今年の稲はとてもひょろ長く育ってしまいました。
去年と比べると5〜10cmは背が高く、分蘖(ぶんげつ;苗の根元から枝分かれすること)も少ないのです。
その原因をいろいろと考えています。
*昨年は、減農薬で慣行栽培をされていた農家さんの肥料が残っていたが
今年は無肥料で育てたために栄養分が足りなかったのか?
*初期もしくは中干し後の水管理が深すぎたからか?
*春起こしのときに多めの米ぬかを撒いたが、それが分解され栄養となるのに時間がかかったのか?米ぬかは秋起こし時に撒く方がよかったか?
肥料の有無に対する影響としては
来年度も続けて無肥料で米作りをすることで少しわかってくるかもしれません。
もう少し時間をかけて考察を続けたいと思います。
そんなことでひょろ長く育った稲ですので、
たびたびやってきた台風によりかなり倒伏しました。
日のあたりにくい西側は真っ先に
比較的分蘖の多い東側も一部倒れていました。
あとから稲刈り時に確認できたことですが
どうやら電柵を飛び越えて入ってきた鹿が田んぼを横断した形跡もあり
自然の倒伏だけではない痕跡もありました。
かわいそうに踏み倒された稲穂は泥に埋まっていました。。
そして、倒伏して地面に穂先が着いたまま時間が経ってしまった籾からは、
もじゃもじゃと新芽が出ていました。
種だものね。水分と土があれば芽が出るのは当たり前!
だけど、こうなってしまった部分はさすがに食べれないか。。。と思いきや、
わざと籾から芽を出して「スプラウト」として食する人もいると教えてもらいました。
私はちょっと試す気持ちにはなりませんでしたが。
さて、その後稲刈りは1週間天気を待つことになったため
今年も茎がほぼ全体に茶色に近い状態での刈り取りになりました。
予定していた日とは別日になったこともあり手刈りの助っ人は少人数。
地元の友だちと、大阪・滋賀から大学のサイクリング部時代の先輩後輩が、
田植えに引き続いてわざわざ日帰りでやってきてくれました。
9月24日、待ちに待った晴天!
嬉々として手伝ってくれた母や地元女性を見てるとほんとにたくましい。笑
というか、きっとこういう作業は男性よりも女性が好むのかな?
「ずっとジメジメした天気で家にこもってたから、
お日様を浴びて肉体労働、気持ちええわ〜!」
無言でせっせと稲を束ねてくれた後輩くん。
都会で日々がんばって働く彼女にとってもいい息抜き日になっていたらいいなぁ。
わずか7畝半の小さな田んぼ1枚ですが人数が少ないので1日では終わらず、
翌日、その翌々日と3日がかりの稲刈りになりました。
人手が少ないことを聞いて急遽助っ人に来てくれた
村の区長さんや近所のお米農家さん。
人数がいると作業がススム、ススム〜!ありがとうございます!
今年は友だちが簡易のワンタッチテントとアウトドア用テーブルを貸してくれたので、
日陰で水分補給&お菓子をつまみながら休憩タイムも楽しみました。
15人以上が入れ替わり立ち代り手伝いに来てくれて1日で終わった去年とは大違いでしたが、こんなふうに少数でのんびりまったりする稲刈りも
個人的には好きだなぁと思いました。
(助っ人メンバーは大変だったと思いますが。。)
よーし残りわずかだ〜!
今年は去年の反省から中干しをしましたが、
その後の雨続きで再び田んぼはぬかるみ、去年同様足場が悪い。
そこを行ったり来たり稲を運ぶ作業は本当に大変でした。
来年も作るとしたら、中干しだけでなく溝切り(溜まった水の通り道を作ること)も
必要だと痛感しました。
3日目の夕方、なんとかすべての稲を干し終えました。
今年は稲木干しの後も雨がたびたび振り、一日中カラッとした晴天はほとんどなかったため、約3週間干してようやく水分量が16〜15%に。
脱穀し、籾を乾燥機に入れて水分量を確認してみると
15〜15.5%でほぼベストな状態。よかった。。
2年目の米作りの試行錯誤が終わり、ようやくお米の収穫が完了しました。
たった2回目のチャレンジですが、
1回目とは全然違う経験になり、おもしろいものだなぁと思います。
一人目と二人目の子育てが全然違う、みたいなものでしょうか。
その度に発見や驚き、学びや喜びがあるのかなと思います。
来年はまた、1回目とも2回目とも違うことが起こってくるのでしょう。
楽しみです。
さて、後日談ですが、
情けなくも私は、稲刈りを終えて激しい腰痛になってしまい
2週間近くほぼ寝たきりな生活を送っていました。。。
(ギクっときたギックリ腰ではないのですが、どんな体勢でも痛くて痛くて、
眠れないほどの腰痛でした。。)
痛みで眠れないってつらいですね。
腰をかばって動こうとして、足や腕などのいたるところが筋肉痛になり
途中、どこがどう痛いのかわからなくなるほどでした。
稲刈り作業中、腰に意識を向けることなく酷使してしまっただけでなく
夏の間、毎日畑仕事をしていた疲れが溜まっていたり
考えても仕方のないようなことをぐちぐち考えてしまっていたり、、
いろんなことがたまっていたのかな、と思います。
自分のなかにたまっていくものに対してもう少し自覚できるように
そして積極的に発散できる手立てを持ちたい!と思います。
最後に、動けない私に代わって仕事のあと毎日晩ご飯を作ってくれた相棒に
敬意と感謝を表して。。。
おいしいご飯をどうもありがとう〜。
「おかゆとお味噌汁が食べたい」というリクエストに応えてもらった日。
ある日の朝食。
少し元気になって来たのでパン屋さんで買った豆パンを焼き直して。
「おいしい」は力になるなぁ。
一緒に「おいしいねぇ」と言い合える人がいるということも
改めてとてもありがたいことだと思いました。
以上!