合鴨たちのことを☆(1)

米づくりの途中経過が

あまりにもなかったので少し補足です。

 

主に我が田んぼに今年もやって来てくれた

鴨ちゃんたちの話をしたいと思います。

 

住んでいる村の少し山手のほうに

趣味で合鴨を飼っている人がおられまして

「無農薬で米づくりしてるなら、

 我が家の合鴨ちゃんを就職させてみーひんか?」と

去年は4羽の合鴨を貸してくださいました。

 

↓ 去年最初にやって来たチロとクロ。

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合鴨とは、

野生の「マガモ」と「アヒル」の掛け合わせで生まれた鳥のことを言います。

ではアヒルは何か?と思ったら、実はこれも原種はマガモ

人の暮らしの中でより飼いやすいものを掛け合わせて育てていくうちに

飛び立たないように羽は小さく、

より卵をたくさん生むように、かつ食用として大きく育ったものが

アヒルと呼ばれるようになっていったそうです。

 

ヨーロッパや中国では何千年も前から

愛玩や食用、採卵などの目的でアヒルが飼われていたようですが、

日本にやって来たのは平安時代(らしい)。

当時冬しか飛来しないマガモは食用としてとても貴重だったので

常食できるアヒルは歓迎されたのではと思うのですが、

食べてみると脂肪分が多く日本人の味覚には合わなかったため

さらにマガモと掛け合わせてより好ましい肉感のアイガモが

作られるようになっていったのではないか、ということです。

 

こうして生まれたアイガモちゃんの見た目は

アヒルよりもずっとマガモに近いですが

やはり羽はとても小さく飛ぶことはできません。

さらには自分で産んだ卵を自分で温め孵化させるということも

残念ながらしません。

 

なので、このご近所の合鴨を飼っている方は

産み放たれた卵を自ら拾い、孵卵器に入れて孵化させ

さらには水中を泳ぐ訓練までさせて

アイガモちゃんを持って来てくれるのです。

趣味とはいえ、ものすごい手間暇がかかっています。。。

まさに育ての親!

 

 

アイガモを水田に放して米づくりに活用し始めたのは

安土桃山時代とも言われているので歴史は古いようですが

合鴨農法」として本格的にその方法が論じられたり

取り入れられるようになったのはここ数十年のことのようです。

 

水田に合鴨を放つ効果としては主に以下のことがあげられます。

 

*アイガモが、稲の生育に支障のある雑草や虫などを食べてくれる

*アイガモが水田を動き回ることによって土が撹拌され、

 適度な空気が入り稲の生育を促す

*また、土が撹拌されることによって雑草が生えにくくなる

*アイガモが水田の中に放つフンが養分になる

 

もちろん、この効果を発揮するには田んぼの広さに適した数のアイガモが必要で、

一反(約100×100㎡)あたり20羽程度が妥当とか。

 

我が家の田んぼはその7割半ほどなので、

ちゃんとしたアイガモ効果を期待するには少なくとも15羽以上は必要ですが、

 アイガモは孵化させることも、

無事に孵化したとしてもその後ある程度育てるのことも、

とても難しいようで、

「なんとか卵から孵ったんやけど、そのあとがあかんかったわー。」と

何度か飼い主さんから報告を受け

今年もやって来たのは4羽でした。

 

最初の2羽がやって来たのは、6月13日。

すでに1回目の除草を終えたあとでした。

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いきなり田んぼには放さず

田んぼにいつでも入れる場所に設置した、飼い主さん手づくりの小屋に入ってもらい、

水と鶏の餌を置いて様子を見ます。

 

生まれた時から親ガモではなくヒトに育てられているので、

ものすごく人懐っこく、鶏用のエサも食べ慣れています。

 

よしよし、しばらくそうしているのよ、

と小屋から離れ隣の畑で作業していると、

ぴーぴーと大きな鳴き声。

ヒトを親だと思って、甘えた声で鳴いてるなぁ。

かわいいやつらめ。。。と思っていたら、

 

なんと!

2羽とも小屋を囲っている網の外に出てきて

こちらに向かって歩いてくるではないですか!

 

↓ この小屋と囲っている網の中にいるはずが。。

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ぴーぴー!

お母さん、どこ行っちゃったの??

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これには本当にびっくりしました。

去年預かった合鴨ちゃんは、

たとえどんなにヒト恋しくても

網をくぐり抜けて近寄って来るような大胆さはありませんでした。

 

カモもそれぞれ個性があるんだなぁと納得、笑ってしまいました。

 

鳴いてる2羽を大慌てでつかまえて小屋に戻し、

くぐり抜けられないように板で敷居を作りました。

たのむでほんま〜。

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小さい頃からペット(特に犬!)を飼いたかったのですが

せがむたびに母から

「誰がお世話するの?結局はお母さんがすることになるでしょ!」と言われ

「うぐ〜・・・そうかも。。」とあきらめてしまったので

ペットは一度も飼ったことがなかったのですが

去年初めてアイガモちゃんと過ごし

自分の畑や田んぼにコミュニケーションができる生き物がいる

責任感と喜び、面白さを感じました。

 

今年は、このちょっと大胆な子たちとの愉快な日々が始まると思うと

とてもわくわくしました。

 

小屋から降りて囲ってある水田に入れるようになると

盛んに小さな水草を食べます。

どうやら大好物らしいです。

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あっという間に食べつくし

囲いの外の水草を食べたがるので

囲いは数日ではずし、自由に水田を動いてもらいます。

 

↓ まだ泳ぎ方がおぼつかず、必死で水中の足を動かしているので

      水面が激しく揺れています笑。かわいいピヨ子たちです。

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そんな中、2回目の除草に入りました。

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 愛用しているのは農家さんが昔々使っていた

水田用の除草器具。

 

去年は一般的なこちらも試してみましたが

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器具自体がとても重くて水田に沈み、押して進むだけでかなり重労働なので

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もっぱらこちらを愛用しています。

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裏面に簡易のギザギザが付いているだけなのでとても軽い!

ですが、大きく育ってしまった雑草を掻き取る威力はないので

とにかく芽が小さいうちに

丁寧に丁寧に除草に入ることがポイントかなと思います。

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去年も今年もこの除草機を使い

田植え後1週間〜10日の間に株間(縦方向)を

田植え後2週間〜20日の間に条間(横方向)を除草すれば

あとは稲が育って水面の光合成を遮る上、

水面を覆う小さな水草も育つので

この2回でほぼ完全に除草できています。

 

さてさて除草しているとこんなかわいいコが。

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うふふ。

オタマジャク子さんがケロ子に変身中〜。

稲の葉っぱでひとやすみ。

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そう、

カモ子さんたちはいてくれるのですが

何せ2羽ですし、小さくて行動範囲もまだ狭いので

残念ながらこの大事な時期の除草を任せられるほどではありません。。。

 

↓ 水中の虫などを食べることは自然に覚えていきます。

     羽に油分も回ってきて、雨が降ろうが潜ろうが濡れなくなってきました。

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伸び伸び過ごしてくれて嬉しいわー。

 

というわけで少し長くなりましたので

次回、お仲間2羽が追加でやってきたことを書きたいと思います。

 

See you!